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Website「読書アクセス」運営者カズノリによる、注目するトピックの紹介と説明

生産可能性フロンティア(PPF)

生産可能性フロンティア(PPF)という経済学の概念がある。これは社会がどれだけの価値の製品・サービスを作り出せるかという能力を考えるものだ。経済成長は貿易黒字や株価の上昇よりも、PPFの成長が適切にとらえられる。
(そして生産可能性フロンティアは、例えば同じ費用と労力あたりのじゃがいもの生産量を増やすことでも伸びるのだ。どうせじゃがいもを作るなら楽しく工夫を凝らして作ろう。)

生産性可能性フロンティアは地域が閉ざされていたとしても、内部で生産性を高める知識や技術が生み出され、経済活動のなか広く普及することによって高められる。つまり、経済成長は絶対に交易が開かれていないと出来ないものではない。

但し、都市の経済力の強さがよく話題となるように、人々が集まり活発に交流するようになると知識や技術の普及、設備の集約による規模の経済が働くため生産可能性フロンティアは高まりやすく、従って経済成長しやすいと言える。

歴史を振り返っても、交易の交差点だった地中海や中国の川沿いで文化が起こったり、鎖国した日本でなく世界と交流した島国イギリスでより高い経済成長が起こったのは事実である。

生産可能性フロンティアという概念に注目しながら経済ニュースを読みとき、なおかつその成長の1つとして交流の重要性にも注意することで社会の出来事に対する理解が深まると思う。

 (著書)